感動する接客 Excellent Customer Service

日本の接客マナーの向上に役立つエピソードを更新していきます。

接客に後出しじゃんけんはない

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 大型店の特設会場で野菜を販売している野菜売りのおじさん。

 

手に取ったミニトマトが美味しそうで、ついオジサンに「甘いですか?」と聞くと、「すごく甘いんだよ~」

 

その言葉に反応して

「では下さい」とお会計をお願いする。

 

お金を受け取りレジの文字盤を打ち込みながら急に浮かぬ顔で言った言葉に驚く。

「これは酸っぱいと感じるかもしれない。人によって甘さが違うので甘くないかもしれない」

 

なんだか自信なさそうに、すまなさそうに言う姿に慌てる。

 

お金を受け取ってから言うのは「後出し」です。

 

「甘いよ」という売りのキャッチフレーズはぶれてはいけないと思った。

 

化粧品などでメーカーは「信じられないほど瑞々しいお肌に!」とか

「これでお肌は若返る!」と自信をもって宣伝する。

 

どこからそんな自信がでてくるかというと

成分●●が肌のターンオーバーに効果的と証明されているが

初めてその成分の抽出に成功し配合したのがこの商品とか

科学的根拠を持ち出したりしている場合もある。

 

誇大広告は法律でも罰せられてしまうが

「これは個人の感想です」が小さな文字で表示されていたりする。

 

それでも、売りに出ていくときは

圧倒的な自信が必須条件だと思う。

 

いろんなお客様がいることを視野に入れれば

断りは先に、正直に言ったほうが

どちらにとっても気持ちいい。

 

しかし、

 

製品やサービスへの自信はしっかり

最初から最後まで示す必要がある。

 

売りに出すまでに

自信もって言えないのなら

甘いトマト栽培がまだうまくいっていないと

本人自身が感じているからなのだろう。

 

「農薬を極力抑えてあるから

甘味は少ないかもしれないが

太陽を浴びた自然のトマトの味がするんです。

今忘れていけないのは

こういう味なんですよ」

(この内容は私の作り事ですので根拠ありません)

 

と言われたらどうだろう。

これでも十分買いたくなるし

帰宅して食べてみてすっぱくても

少なくとも体にいいもの食べたと思える。

 

今日のポイントは

 

自分が自信もっていえることを

キャッチフレーズにしよう。

 

 

 

お客様は5分前のこと覚えていて欲しい

f:id:ecs7:20180907232034j:plain人の目を引くとても美しいお友達とホテルのレストランで

お食事のお約束をしていました。

 

テーブルは私が予約を入れておきましたが

彼女が先に到着したのです。

 

レストランの受付で

案内係と予約名を確認したとき

私がまだ到着していないと言われ、

それならちょっとその前に化粧室に行きたいと思って

どこにあるか聞いたら、親切に笑顔で案内してくれたそうです。

 

「こちらまっすぐ行かれまして・・・でございます」

「ありがとうございます」

 

それから、ものの5分もしないうちに戻って来て、

この案内係とまた顔を合わせたら、

 

「こんばんは。本日はご予約なさっていますか?」

 

とまるで初対面のように声掛けされて

びっくりしたそうです。

 

さっき会ったばかりじゃない!と。

 

ホテル・サービス業において

このようなことがあるものかと

その話を聞いて驚きました。

 

美しい女性を描く世界的に有名な画家から一目ぼれされて

モデルになってほしいと言われた女性だっただけに

内心ショックだった様子でした。

 

いやいや、いかにもどこにでもいるような

平凡な風体の人であったとしても

5分前に会話を交わした「大切なお客様」を

忘れるなんてもってのほか。

 

一万人の顔と名前を覚えた

伝説のコンシェルジュのことを思うと

爪の垢でも煎じて飲んでもらって

頑張っていただきたいです。

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チップのある国ではご注意を

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日本のサービス業において

チップがないのは気楽でいいです。

 

そんな国からチップが当たり前になっている国に行って

食事をしてチップをどれだけ置こうかと

考えるのはストレスですね。

 

聞いたところによると

アメリカ人でも結構ストレスだそうです。

 

サービスが不満だったのか

ケチだったのか知りませんが

チップを置かずに支払いを済ませて

外にでようとしたら

 

レストランの担当スタッフが

追いかけてきたという笑い話があるほど。

 

私のプライベート英語レッスンの

受講生さんが

明日アメリカに旅行に出かけます。(いいな~)

 

過去にしばらく

アメリカに住んでいて、

だからチップには慣れているのですが、

 

その時にチップに関して

不愉快な出来事があったそうなんです。

 

レストランでクレジットカードで

支払う場合

チップをいくらに設定するか

本人が選べるはずなんですね。

 

それなのに清算を申し出ると

すでにスタッフがチップ料金を

客を装い勝手に記入してあったのです。

 

お客様装い詐欺!

 

ここは怒り心頭になってしかるべきです。

もちろん抗議して一件落着だったそうです。

 

ニューヨークは世界中の観光客であふれています。

このスタッフはどうせ分からないだろうと

請求額に細工したんですね。

 

このスタッフには

チップゼロにすべきだと

私は思いました。

 

いや、マネージャー呼んだら

このスタッフ首ですよね。

 

ちなみに彼は普段は

20パーセントのチップしているそうです。

 

それにしても

どんな接客であれ

基本的に

チップゼロな日本の接客です。

 

なんとも尊い

 

特にすごいと思うのは

ファーストフード店です。

 

社員教育が徹底しているのか

親切心は忘れないところが多いこと。

 

アメリカなどでは

担当者にチップ収入が発生しないと

サービスの質の差が甚だしい。

 

だから乱暴だったり不親切になりがちです。

 

ハンバーガーは客に向かって

飛んでくるという冗談もあるほど。

 

もちろんそんな人ばかりではないはずですが。

 

しかしチップには注意。

 

チップの習慣に慣れていない人へのひとこと

 

チップのある国では

注意して請求書をみましょう。

すでに含まれている場合もあります。

 

ではまた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食の世界のアートを求めて

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大阪発スムージーの出来上がりの美しさ、

こんなにも細部に至り

手間暇かけて作り上げたスムージー

見たのははじめてです。

 

実はテレビ番組「情熱大陸」で

この「作家」(!)さんのことを知り

大阪に行ったらぜひ訪れてみたいと

思っています。

 

食べ物は盛り付けの美しさが大切なのは

当然ですが、

 

そして今はどこでも

美しく工夫されて盛り付けられていますが、

こちらのお店JTRRD Café は群を抜いています。

 

全く同じものがない

と言ってもいいでしょう。

 

今回はご本人に許可いただいていますので

目の保養までにアップさせていただきます。

 

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今日のポイント

 

盛り付けは芸術的に進化している

 

ではまた!

 

 

二番目に短い丁寧な言葉で高級感を!

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2018年フォーブス4つ星ホテルの某レストランで

楽しくお食事をしていました。

 

設備よし、料理よし、サービスよし、雰囲気満点、

の良いことばかりで楽しんでいました。

 

その時テーブルを担当してくれたのは

日本人ではなく、

国籍を聞いたわけではないので

分かりかねますがが

なんというかインド人系というか

そんなスタッフでした。

 

とても日本語が流暢で

フレンドリーで

すてきな接客でした。

 

長居していて

途中席を立ち、

化粧室からテーブルに戻ろうとしたとき

方向音痴になっていたら

 

そばに件のスタッフがいて

すぐに察してくれました。

 

その時の日本語が、

 

「あっち」

 

でした。

 

ちょっと酔っていたとはいえ、

この言葉には違和感を覚えましたね。

 

急に昼間ランチで

気軽にお世話になる

本場カレー屋に来たような

錯覚が・・・(笑)

 

言葉にも

高級感というものが、

 

丁寧に言うだけで

醸し出されるのだと気づきました。

 

しかも

ただの小さな「っ」です。

 

こっちは「こちら」

あっちは「あちら」

そっちは「そちら」

 

外国人とはいえ

「敬語は難しくて覚えられない」

というほどのものではありません。

 

接客日本語ぐらい

徹底して覚えてほしいです。

 

タイトルにある

「二番目に短い」といったのは

もちろん

「一番短い」丁寧な語は

「お」「御」をつけることですね。

 

クイズになってしまいました。

 

外国人の接客における

日本語教育の話かと

思われるむきもありますが

 

実は接客の場で

多くの日本人も無意識に

使っているのではないかと。

 

いかがでしょうか。

 

今日のポイント

 接客の場では「っ」を使わない表現に変えよう

 

ではまた!

 

 

 

 

 

 

「無理です」と堂々と言われると

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若い女性に人気のホームウェア系ショップでのことです。

合計で5万円の買い物をしました。

 

3万円分は自分用に、2万円分はプレゼント用に

店員さんにそう言って分けて

綺麗に包装してもらっているとき、

 

店員さんは尋ねてきました。

 

「只今キャンペーン中でして

7000円以上お買い上げの方に

この香りのスプレーを差し上げています。

どちらにお入れしましょうか?」

 

「両方に一本ずつってわけには

いかないのですか?」

 

「無理です」

 

この返ってきた言葉を聞いた瞬間に

お客はカチンと来たんですね。

スプレーなど欲しいわけではない、

この言葉に反応したのです。

 

「では、仮にです。

2回に分けて支払ったら

どうなんるですか?」

 

理論的に攻めてみる。

 

それに対して、

 

「無理です」

 

特に意地悪そうに言っているのではなく

これが接客用の言葉だといわんばかりに

「無理です」という。

 

これはでは相手にならない。さっさとあきらめて

ただただ不愉快になって帰宅したという。

 

実は身内の話だったのですが、

ここから学べることは2つです。

 

①言葉使いの問題・・スタッフの問題

  改善例:

 「大変申し訳ないのですが、今回のキャンペーンは

  お見えになったお客様のお買い上げについててございます。

  おひとつしかつけられないのが大変心苦しいのですが・・・

  ご理解いただけますでしょうか?」

 

  理屈の面からも押さえて納得される要素を入れて謝罪する。

 

②権限委譲・・・経営側の問題

 

  店長など置いているのだからある程度の権限を持たせて

  柔軟な対応をできるようにする。売上ばかりでなく

  顧客の満足度、スタッフのやる気や責任感につながる。

 

 キャンペーンとは何か?新たな顧客を増やしファンを増やすこと。

 

感動する接客への道、

なんとも険しく、遠いことか?

 

努力、改善、

頑張りましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

想像を超えるおもてなしとは 

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上の写真、なかなか雰囲気のあるテラス席ですね。

アメリカはテキサス州オースチンにある

五つ星ホテルのFour Seasons Hotelの施設です。

 

さて、本日は「想像を超えるもてなし」を考えます。

 

アメリカのベストセラー作家でありコンサルタント

Micah Solomon という方のサイトに出会い、

 

"5 Wow Customer Service Stories from five-star hotels"

という見出しのエピソードを読んでいたら、

5つのなかのひとつに面白いものがありました。

 

それがこのホテルの出来事なので

シェアします。

 

そもそも想像を超えるもてなしは

権威あるフォーブスやミシュランなどから

お墨付きをもらうようなホテルで競われることになります。

 

単に高いお金を払ってモノを買う行為

に比べると、滞在するという時間の経過があり

それには人の気遣いやもてなしが不可欠になります。

 

豪華なつくりの部屋で

出される料理も最高でも、

サービスが悪いと次の滞在予約の可能性は

一気に下がります。

 

通り一般の丁寧でフレンドリーさでは

印象に残るような

「また来たい」ホテルになりません。

 

接遇力の最高レベルが

ホテルで競われることになるのも

頷けます。

 

アメリカ人相手なら

”Wow!” と大げさに驚いていただくほどの

インパクトを与えることを目指す。

 

そういう背景を意識して

読んでください。

 

ビジネスの場で、特にサービス業なら

絶対によく耳にする、

最後の締めの決まり文句があります。

 

「何かほかに私にできることございませんか?」

 

まあ、いい方はいろいろあるとして

そんな締めの「ご挨拶」世界共通でしょう。

 

たいていは「これですべてで、もうありません」

という返事が期待されている。

 

マニュアル通りに丁寧さを示すご挨拶、

まあ、そんなところでしょう。

 

このコンサルタントは日頃から

現実にやりもしないうわべだけの

親切なマニュアル用の言葉に

違和感を持っていたようです。

 

だからこそ、もてなし力で評判の

スタッフが働く会社や組織で、

この言葉を試してみていたようです。

 

その中のベストだそうです。

 

ハウスキーパーが部屋に来て

ベッドメイキングなど仕事を終えて、

 

「何かほかに私にできる御用はございませんか?」

 

と言われたときに

「御用」がありました。

 

「昔から仔馬が欲しかったんだがね」

 

するとハウスキーパーは、

 

「はいすぐに対処いたします」と言って、

 

近辺の馬を売っているところのカラー刷り4ページの

印刷物を数分内にドアの下から差し入れてあったと

いうのです!

 

私にはほとんどジョーク、ジョークという

話に聞こえますが、

 

やはり学ぶことはあると思いました。

 

「私の仕事の範囲はこれとこれ」

と決めつけががんじがらめだと

自由な発想も起きませんね。

 

ハウスキーパーの仕事というと

ベッドメイキング、整理整頓、掃除、

届け物、等々にまつわるものだけと

考えていると、

 

たった数分でできる

パソコン検索とプリントアウト

という簡単なサービスを思いつくことすら

できないでしょう。

 

確かにこのハウスキーパーさんは

「何か私にできる御用はございませんか?」

という言葉をその通り真摯に言っていると

見事証明しました。

 

マニュアル通りに言う言葉ではなかった!

 

これはテキサス州オースチン

フォーシーズンズホテル

素晴らしいおもてなしのエピソードですね。

 

この通りにすべてのビジネスで

通用させようとは思いません。

 

しかし、学べるポイントはあります。

 

お客様に日頃使っている

マニュアル言葉を振り返ってみよう。

どこまで本気なのか考えてみよう。

 

という宿題でした。

 

ではまた!