理不尽な強情さと戦えない接客ミス
「加賀屋の流儀」に、あるクレームの話がありました。
旅館では最寄り駅に予定通り到着したすべてのお客様を迎えに行きます。
苗字を書いたプラカードを見せて気づくように計らっている。
気づいた「その苗字」のお客様がスタッフと一緒に送迎用の車に乗り込むという一連の流れになります。
その日迎えた人を乗せて、お部屋へ案内した。このお客様はV.I.Pのお客様で旅館でも最高のお部屋のひとつに案内した。
この担当者はもうひとり遅くの時間にお迎えがあった。部屋割りを確認したとき、同じ苗字の方だったことに気づいたときにはすでに時遅し。こちらがV.I.Pのお客様だったのだ!
慌てて、V.I.Pの部屋にいる、普通のお部屋を予約されたお客様に事の顛末を説明してご理解いただくようにお願いをした。もちろんこちらのミスで謝罪を心を込めてしたつもりだったのだが・・・・・・どれだけ謝っても部屋を移ることはなかったという失敗談です。ちなみに差額はスタッフが自腹で払ったとあり、気の毒に思いました。
うむ。同じようなミスをどこかでも読んだ気がする。
今度は旅館ではなく、ホテルのレストランでのことです。
高級ワインを何本も開けて食事した人のお会計を少額代金の人のものと間違えて受け取り、後で気づいてお客様を車寄せのところまで追って行って謝ったが、客は怒り心頭で「食い逃げした客というのか」とすごみ絶対に支払うことはなかったという。
テーブルチャージでは起こらないので、昔の話だと思いますが、共通して言えるのはいかに一旦受けたサービスに対して客は引かない、正当性を主張するお客がいるということですね。驚くばかりですが、サービス業に従事していたらこんなことがあるんですね。
こういう「断固として自分が本来予約した部屋へは移らない」「断固として自分が飲食したものを支払わない」という理不尽なお客にはなりたくないし、恐らくそう多くはないでしょう。
しかし、サービスする人の側から立てばミスは避けることが充分できたという事実です。どちらも自腹を切ったと言っていますので、高いレッスン料を払って学んだということですね。
クレームの陰にミスあり
ではまた!