感動する接客 Excellent Customer Service

日本の接客マナーの向上に役立つエピソードを更新していきます。

謝罪vs無言の接客の勝敗は決まっている

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ある日の午後

接客業において、スタッフがついお客様の前で失敗するというシーンはあまりないとはいえ、実際にはどちらの側に立ったとしても、誰でも経験していることだろう。

 

素晴らしい外の景色を見下ろしながらゆったりと広々としたソファに腰を沈め、午後のひと時を友と語らい、お茶とお菓子でくつろぐアフタヌーン・ティー。多くの女性が大好きな贅沢な時間の過ごし方だろう。その日はあるホテルに行くことにした。最初に客の目を惹きつける飲み物の提供で始まった。

 

シャンパングラスを置いたら、その場でボトルを振ってみせてボトルを逆さにしてレバーを押す。するとシュワーとそこから発泡性の泡がでてきて飲み物が目の前でみるみるとグラスを満たすことになる。「わあ、きれい」と思わず歓声をもらすことになる演出の場でもある。

 

しばらくすると、斜め向かいの席に4,5人の女性客が入ってきた。またこの演出が始まったのだが、なんとスタッフは逆さボトルから噴き出す泡をグラスではなく、テーブルに吹きかけてしまったのであった。シャンパングラスの飲み口は狭いので、ちょっと注意を怠るとそうなる危険は十分あるが、驚いたのはそのことだけではなかった。

 

なんと謝りもしなかった!もくもくとテーブルを拭いただけであった。4,5人の客もあっけにとられ黙り込む様子であった。別の意味でのサプライズ演出に息が止まったといったら言い過ぎか。

 

ところで最初からこのスタッフは大丈夫だろうかと気になってしかたがなかったので、やっぱりやったか、と思った。見習いレベルというか・・・。アフターヌーンティーでは違う種類のお茶を飲むのも楽しみのひとつであるが、ティー・カップを交換してくれるのだが、その時に「コップ」を変えると言ったのもちょっとひっかかった。

 

このホテルは超高級ホテルで、宿泊するチャンスがあるとは私には到底考えられない。そんなところでも一般客には開放されている飲食施設は、贅沢な気分になりたいときにはありがたいものだ。宿泊客も同様に利用するのだから、接客レベルは保たれているはずと考える。そこで、ティー・コップかあ。

 

そろそろ帰るとするかと、最後のオーダーにアイスコーヒーを選んでみた。このスタッフが運んできたものは、さすがそんじょそこらで見かけるものではなっかた。透き通った黒い色ではなく濁りのある濃茶だった。

 

「わー。これは濁っているんですね!」と感嘆の声を上げたら、

 

なんと答えが、

「はい、濁っています」

 

昨日アップしたマンダリンオリエンタルでのモヒートの2本のストローのような説明は一切なく、ぶっきらぼうにオーム返ししただけだった。

 

ちなみに、このアイスコーヒーは素晴らしく美味で忘れがたく、昨日もコーヒー専門の喫茶店スペシャルアイスコーヒーを注文したらまったく及ばすのお味でした。

 

いろいろとあったが、顧客満足において、お客様のテーブルで粗相をしたら謝るぐらいはしてほしい。ちょっと音をたててものを落としても「失礼しました」というファミリーレストランだってあるぞ。他人のテーブルのことながら、ぶっきらぼうな対応に呆れた。超高級ホテルのラウンジでそう思った次第です。

 

接客において無言ほど無礼なものはない。